皮膚科は看護師にとって人気の職場である。なぜなら仕事とプライベートが両立できるからだ。と言うのも、一部の大きな病院を除き、大抵の皮膚科は外来診療のみであり、診療時間が決まっている。そのため、残業は少ないうえに夜勤がないのである。看護師の仕事につきものである残業や夜勤がなければ、ライフスタイルにあった働き方ができるし、子育て中でも働きやすい。また、命に関わる病気や怪我を負った患者と接することが殆どないので精神的な負担が軽いこと、難しい看護業務を求められる機会があまりないことも人気の理由として挙げられる。結婚や出産、育児などでブランクがある看護師や、経験の浅い看護師にとっても働きやすい職場と言えるだろう。
とは言え、皮膚科といっても一般皮膚科と美容皮膚科では看護師の業務内容は大きく異なる。一般皮膚科と美容皮膚科では治療の目的が違うのである。一般皮膚科は皮膚疾患を治療するのが目的であり、保険診療が主となる。それゆえ看護師の業務内容は、医師の診察介助および軟膏の塗布や注射などの処置の実施である。一般皮膚科を訪れる患者は男女を問わず、その年齢は幅広い。それに対し、美容皮膚科は肌悩みの解消や肌質の改善が目的である。患者は美しく若々しい肌を求める女性が大半である。治療内容の大部分が自由診療であり、看護師が注射やレーザー機器などの施術をおこなうことが多い。また患者に対する接遇マナーを重視するクリニックもある。患者をお客様として扱うことが求められるのである。よって一般皮膚科と美容皮膚科では看護師に求められるスキルも異なってくる。